好評だった前回の記事の続きです。
前々回の記事では「大学入学までの妄想」を書きました。
前回の記事では大学入学以降の妄想です。
今回は、『結婚と研究編』です。
損はさせないので、ぜひお読みください!
最終回です…全米が泣いた衝撃のラストを見逃すな!
まず、前回までのゆるふわ娘のまとめ。
生まれて間もなくから全身ファミリアで身を包み、趣味はピアノでメンデルスゾーン、勉強は中学までに英検2級、サピ偏差値60で女子校に進み、中高バスケ部でインターハイで活躍。
一方で、鉄緑会で勉強をゆるく頑張り、気づいたら東大合格レベルに到達し東大理2類に現役合格…鉄緑で知り合った理3の彼氏と愛を育みながら関西の自宅から東大までリニア通学。
嫉妬の渦巻く世界を薬で治したいと薬学部に進学し、研究の末、嫉妬の感情を作り出すSHIT gene(嫉妬遺伝子)の同定に成功。
さらにはSHIT遺伝子から合成されるタンパク質ミタミン(和名:嫉みん)が人々を嫉妬に駆り立てるというメカニズムを解明。
そして、ネタミンを分解し嫉妬を感じさせなくなる分解酵素ネタミナーゼの同定。
最終的に、父を第一被験者にするなどして製薬化に成功、製品化まで漕ぎ着けた。
しかし、、、華々しい成功の裏で悲劇が忍び寄っていることに娘は全く気づいていませんでした。
ネタミナーゼの開発の最中、大学時代から付き合っている理3の彼氏と7年の交際を経て結婚することになります。
ゆるふわで育てたということもあり結婚式にこだわりはあまりないようでザ・リッツカールトン日光で来賓300人程度の質素な結婚式を行いました。
皆に祝福されながら結婚生活を開始し娘を授かります。
夫と協力しながら子育てにネタミナーゼの製品化に忙しい日々を送ります。
しかし、いつのまにか、ネタミナーゼの開発の方に重点を置くようになり、夫に娘の子育てを任せてしまうようになってしまうのでした。
もちろん、私たち親も手が足りない時は呼び出されます。
「お父さん、娘たちにはファミリア以外は着せないでね。なるべく私と同じようにゆるふわになるように接してちょうだいよ。あ〜だめ。そんな変なもの食べさせないで。ゆるふわじゃなくなっちゃう。ピアノはショパンだけはダメよ。あいだにメンデルスゾーンは必ず挟んでね。そうそうバレエの話は絶対にしないで。男と絡ませるなんてありえないから」
と、こと細かにに指示をだし研究へと向かいます。
ネタミンを分解するネタミナーゼの開発とともに、ネタミンをより活性化させる酵素ネタミックスαの開発にも成功します。
ネタミックスαは嫉みのない人でも人をねたむようにする効果があります。
娘曰く
「嫉みが全くない人間は向上心がなくつまらいものよ。そういう人たちにはネタミックスαで嫉みを程よく誘発し元気にさせるのよ」
と。
その効果を確認するために嫉みの感情が全くない娘の夫(たかし君)が被験者となりました。
実験は成功し、たかし君にも嫉妬の心が芽生えるようになりました。
「その調子よ。適度な嫉妬は出世に必要よ。あなたに足らないのは嫉妬から生まれる出世欲なのよ。だからいつまで経っても助教止まりなの」
と娘。
私はこの時、娘にゆるふわとは異なる何かが芽生えていることを感じていました。
そうです、、、ゆるふわな娘は、マッド・サイエンティストに変わっていたのです。
ネタミナーゼの製品化が進むに連れ、厚労省や企業との打ち合わせに忙しく、娘はますます研究や開発に没頭するようになっていきました。
その間、タカシ君が娘を育てていたのですが、タカシ君の様子も徐々に変わっていきました。
ネタミックスαのおかげで嫉妬心が芽生え准教授まで出世したのですが、髪型はサンキューカットで済ませていたのに、港区の美容院でプルデンシャルのツーブロックゴリラのように変わり果てていました。
そして、だんだんと帰りも遅くなり私たちに娘の世話をお願いする頻度も多くなっていったのです。
そして、悲劇は訪れます。
娘とタカシ君はすれ違いの生活を送るようになります。
数ヶ月会わない時も珍しくなくなります。
娘は
「私の夫なんだけど私が作ったネタミックスαのおかげで准教授になれて、やっと自分で稼げるようになったから肩の荷が降りたわ」
と𝕏でポストして夫をディスってしまうことが頻発します。
狂信的な信者からは称賛される一方で、専業主婦の方々からは
「夫を蔑ろにするなんてありえない!」
と批判を浴びるも
「専業主婦なんて自立してないんだから年金くらい自分で払ってからポストしろ!」
などとポストし度々炎上してしまいます。
そんなある日、幼稚舎へ孫を送迎する途中にタカシ君が若い女性と親しげに歩いているのを私は目撃してしまうのです。
そうです、、、ツーブロックゴリラへと変身を遂げたタカシ君が不倫をしてしまうのです。
あぁ…これは一大事。
なんとかタカシ君の説得を試みようとするのですが
「もう離婚してもいいんすよ」
とタカシ君。
私はどうしたらいいかわからぬまま、その事実を娘は知ってしまうのです。
娘はタカシ君のありとあらゆるものにGPSを装着させていました。
そう体内にも。ただ、忙しくてその存在を忘れていたようですが、タカシ君が孫を迎えにいているかどうか確認するためにGPSを確認し発覚したようです。
(刑事ドラマでよくある断崖絶壁にて)
娘「タカシ、、、よくも裏切ったわね!私のおかげで准教授になれたっていうのに!」
タカシ君「いつしか君は変わってしまった。僕や父までも実験台にするマッド・サイエンティストに。ゆるふわな君はどこにいったんだ?」
娘「はぁ?ゆるふわだと?いつまで寝ぼけたことほざいてるんや!女子でバスケ部入るやつにゆるふわなんておるわけないやろ!」
タカシ君「さびしかったんだ。君が実験に没頭するのが。僕には居場所がなかった。」
娘「おまwwwそれ、不倫男がよく言うセリフだわwww草生えるわwww」
その時です。
東尋坊のような断崖絶壁に強風が吹き荒れます。
言葉で崖に追い詰められていたタカシ君は強風に煽られ、そのまま…
ドボーン…!!!
私「タカシ君!!!!」
娘「ざまぁwww」
タカシ君は残念ながら帰らぬ人となりました。
私は娘が明らかにおかしいことに気づき、こっそりとDNAを採取すると、なんと一般人よりもはるかに多いSHIT遺伝子が発現しており、採血検査ではネタミンが基準値の100倍検出されたのです。
そうです、娘の心は嫉みに蝕まれていたのです。
なんとか娘を説得しネタミナーゼを投与することで正気を取り戻しました。
娘「悪い夢でもみていたみたい」
と反省し研究から少し距離を置き日常を取り戻していくことになります。
危険な東京は離れ、関西で私、妻、娘と孫娘と暮らすことになります。
ある休日、孫娘が私にいいます。
「じいじ、疲れてそうだからショパンでも弾いて癒してあげる!」
と。
でも私は、
「いやいや、今はメンデルスゾーンの気分かな」
というと、孫娘は
「そっちね」
といい徐にピアノ協奏曲第1番を弾き始め、私は聴きながらうとうととするのです。
完
くだらない妄想話にお付き合いいただきありがとうございます。
子育てって親が思っている通りにいかないっていうのをお伝えしたかったのです。
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