今回は、「本番を見据えての睡眠管理」について解説したいと思います。
受験は大事だと言えど、睡眠不足で成長や体調、精神にまで悪影響を及ぼしてしまっては本末転倒です。
中学受験をしていると、朝から学校に行って昼過ぎに帰ってきます。
塾がある日は、21時まで塾の授業という日もざらにあります。
帰宅後に勉強をしなくても、なんだかんだで23時になってしまいます。
塾から帰宅後に勉強をするご家庭では、24時を回ってしまうということもあるかもしれません。
ただ、睡眠時間を削って勉強することは非常に危険なことです。
小児医などの専門家からは、「成長が阻害される」「発達に悪影響」など、子どもの発育に非常に良くないとエビデンスをもとに説明されています。
中学受験をする12歳には9時間は必要だと言われています。
中学受験の観点から見ても、「睡眠不足は不利になります」
なぜ『不利』なのか?
中学受験に絞って結論から言いますと、
✅ 塾の授業が頭に入ってこない
✅ 本番の試験は朝から始まるのでリズムが合わない
✅ 便秘も含めて体調を崩しやすい
ということが挙げられます。
それぞれ説明していきます。
塾の授業が頭に入ってこない
睡眠不足だと、夕方から夜にかけて行われる「塾の授業」の内容が頭に入ってきません。
塾の授業をただノートを写しているだけで頭に内容が入っていないとなると、時間の無駄になっていると言わざるを得ないでしょう。
まず、塾を利用するにあたって一番良いサイクルを考えてみましょう。
文献によると12歳は9時間の睡眠時間はほしいところですが、最低でも8時間は取るようにしましょう。
理想は『夜は11時前に寝て、朝は7時前に起きる』ですが、無理そうであれば少なくとも夜は12時前に寝て、朝は7時くらいに起こしましょう。
おそらく15時前後に学校から帰ってきて、塾や学校の宿題をしてから塾に向かうと思います。
夕方から塾が始まりますが、睡眠時間が十分とれていると授業に集中できます。
学校から帰って少し眠い場合は、15~20分ほど横になってもよいです。ただし、30分以上仮眠をとってしまうと夜寝られなくなるのでやめましょう。
塾から帰宅すると22時前後になっていると思います。
それからの勉強は30分程度にするなどして、ほどほどまでに止めておきましょう。
温かいお風呂に早めに入って23時までには寝るようにしましょう。少なくとも24時までには寝るようにさせましょう。
上のように示したサイクルで生活すると、効率よく勉強することができます。
特に大事なのは、
授業に集中できる
という点です。
授業に集中できると、授業中に講師が説明している内容がよく理解できます。
結果、家に帰ってからする宿題が捗ります。
長男は塾でしっかりと吸収しているためか、宿題で難しい問題でも「授業で習ったから余裕」と言って解けています。
宿題は「授業でやった問題の復習」という側面もあるため、授業で扱っている内容を効率よく吸収できると宿題にかかる時間が大幅に削減できます。
宿題にかかる時間が短いと、宿題以外の復習をする時間もとれるようになりますし、何より睡眠時間を十分に確保できるようになります。
睡眠時間を十分にとることで、結果として、授業に集中し宿題にかかる時間を短縮し、さらに睡眠時間を十分に確保できるようになります。
睡眠時間を十分にとることで授業に集中でき、宿題に必要な時間を短縮でき、睡眠時間を確保できる
一方で、夜遅くまで勉強している弊害としてどんなことが起きるでしょうか?
✅ 塾の授業が集中できないことで
✅ 宿題に時間がかかり
✅ 睡眠時間がさらに減る
睡眠不足が悪循環を生み、上にあげたような弊害のスパイラルに陥ります。
24時を過ぎても勉強して睡眠不足の状態で起きて学校にいって帰ってくると極度に疲れています。
そのような状態で塾に行くまでに宿題や復習をしても頭に入ってきませんし、時間がかかります。
睡眠不足なうえに、問題も思うように解けないともなると精神的にもイライラが溜まります。
そのような状態で塾の授業を受けても、全然頭に入ってきません。
ただただ、黒板をノートに写すだけで終わってしまいます。
結果として、授業で説明された宿題をしても初めて見るようなことになってしまいます。
授業で習ったけど意識が飛んでいたので頭に入っておらず、宿題に時間がかかりイライラが募ります。
悪循環が断ち切れず、なかなか成績が上がらないという事態に陥ります。
親御さんが夜遅くまで勉強を強要するのは論外ですが、いくらお子さんが夜遅くまで勉強したいと言っても止めるようにしましょう。
大事なのは、
どれだけの時間を勉強したかが大事なのではなく、どれだけ効率よく短い時間で勉強できたか
です。
日本は「どれだけ長く仕事をしたのか」が大事というような異様な概念がこびりついていますが、実際、大事なのは「どれだけ効率よく少ない時間でこなすか」ということです。
「何時間勉強したの?」ということに注目しがちですが、「短い時間でどれくらい勉強できたか?」に注目しましょう。
「時間」よりも「質」を重視しましょう。
また、試験においても、効率よく短い時間で解く訓練は大事です。
テストも「少ない時間でどれだけ効率よく得点できるか」がポイントです。
すべてがテストでの得点力アップにつながります。
ですから、睡眠時間を確保することで良質な勉強サイクルを目指しましょう。
本番の試験は朝から始まるのでリズムが合わない
大部分の中学校の本番試験は、朝から始まります。
西大和中学校のように午後から始まる中学校は少ないと思います。
試験直前に朝方にしようとしてもなかなか難しいです。
私自身、大学受験のころ「夜型」でした。
しかし、本番に合わせて朝型にしようとするもうまくいかず、前日に全然眠れず非常に苦労したのを覚えています。
子供にはそのような苦しい状態で本番に臨んでほしくないため、夜は早めに寝るようにさせています。
本番直前に寝られないというのは非常に苦しいです。
「明日本番なのに寝られない。どうしよう。」
などと布団の中で焦りで余計に寝られなくなってしまいます。
非常に苦しいです。
そして、本番も十分な実力が発揮できないということになりかねません。
ですから、
できれば12月から、少なくとも1月からは朝型に変更するように努力
しましょう。
夜型のまま試験に臨むと、朝の試験に頭が働かず解ける問題も解けません。
朝型にすることで試験本番に頭が回転できるようにしておく
便秘も含めて体調を崩しやすい
睡眠不足ですと、当たり前ですが、体調を崩しやすくなります。
✅ 免疫低下:風邪などにかかりやすい
✅ 胃腸障害:便秘や下痢など
✅ 皮膚トラブル:アトピーの悪化、ニキビなど
✅ 精神的な不調:イライラ、集中できない、焦り
どれも睡眠不足で起こりやすくなります。逆を言えば、睡眠を十分に取れれば改善できます。
試験本番にあわせて体調管理も大事になってきます。
十分に睡眠がとれていないと、本番直前に体調不良が出てくる可能性もあります。
子どもなのでただでさえプレッシャーで精神的な不調をきたしやすい状況で、睡眠不足も合わさるとより深刻な不調に陥るかもしれません。
皮膚症状の悪化は、見た目にもかかわり気になって勉強どころではなくなってしまいます。受験を目前にして避けたいです。
思春期にも差し掛かり、多感なときに皮膚トラブル、悪化すると精神的にも勉強に集中できなくなります。
いろんな側面から考えても睡眠不足を改善していきたいですね。
体調管理など本番につけての大事なことについては別記事でも紹介していますので、参考にしてください。
まとめ
今回は、「本番を見据えての睡眠管理」について解説いたしました。
いま、夜型で勉強しているご家庭は、早いうちに「勉強を切り上げて早く寝かせる」ことを実践してみてください。
どこかで思い切って早く寝る方向に切り替えないと、ずるずると夜型で本番を迎えてしまいかねません。
睡眠不足に陥ると、すべてが非効率で、精神的にも成長発達的にも全くよくありません。
受験までもう少しですが、親御さんもお子さんも乗り切っていきましょう。
今回の記事が少しでも参考になれば幸いです。
ありがとうございました。
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