今回は、どのようにして「わが子の合格確率」を知るかについて説明します。
小学校6年生の秋も過ぎると、いよいよ受験が迫ってきて「わが子は合格するのかしら?合格する確率はどれくらいかしら?」と気になってくるのは当然です。
私自身、長男が志望校に合格する確率が非常に気になります。
志望校別ではない公開模試での成績では、A判定などが出たとしても問題形式が志望校とは異なるため、当てになるのか疑問になります。
残り三か月ともなると、夢を追いすぎても危険ですし、現時点での合格確率は方向転換の観点からも知っておきたい情報です。
では、どうやって合格確率がわかるのでしょうか?
直接、塾の講師に聞いても、明確な合格確率は教えてくれない可能性があります。
塾の講師としては、
「無理だから方向転換したほうがいい」
とか
「あなたのお子さんは20%もないでしょう」
などとは頑張っている姿を見ていて言いにくいので、お茶を濁した回答しか返ってこないかもしれません。
私は以下のようにして、合格確率を推定しています。
✅ 志望校別模試の結果から出される合格確率から知る
✅ 志望校別講座で所属するクラスでの過去の合格確率から知る
特に2番目の「所属するクラスでの過去の合格確率」は有意義です。
それでは、解説していきます。
志望校別模試の結果から知る
これは当然ですが、「志望校別模試」の結果から合格確率がある程度わかります。
志望校別模試の判定結果が、一番合格確率を反映しています。
「志望校別模試」の判定結果は、当たり前ですが、非常に重要です。
大学受験においては、春ぐらいから志望校別の模試が開催され、また、本番は共通テストがあり、二次試験も実力が反映されやすいので、大きな番狂わせが少なく、偏差値がそのまま合格に反映される印象があります。
しかし、中学受験おいては、各中学での特色が強く出ており、その中学が出題する問題にあった勉強が要求されるので、公開テストなどの一般的な実力テストの偏差値がそのまま合格にはつながりにくい印象を受けます。
全体を対象とした実力テストの偏差値や判定は、志望校別の判定と比較して合格確率と相関関係は低いと思います。
一般的な実力テストは、記述問題よりも記号問題が多いので、運の要素も影響を受けてしまいます。
志望校別模試は重要なのですが、問題があります。
志望校別模試は開催される時期が、本番に差し迫っている
ということです。
中学受験で重要な「志望校別模試」は、9月以降に開催されることが多く、その結果を見てから受験校を決めていては判断が遅くなってしまう可能性があります。
「志望校別模試」の結果がいまいちで受験校を変えるともなると非常に大変です。
親としては、できれば早く合格確率を知って、志望校を「受験校」にしてもよいのか、あるいは、志望校をあきらめて現実的な中学校を受験すべきなのか、判断したいです。
では、模試以外に合格確率を知る方法はあるのでしょうか?
志望校別講座で所属するクラスでの過去の合格確率から知る
どの塾も、9月以降で「志望校別講座」というものが始まります。
「志望校別講座」とは、志望校でよく出題される問題や形式を集中的に勉強する講座となります。
志望者が多い中学校では、成績上位者からクラスに分かれます。
例えば長男が受講している志望校別講座では、4クラスに分かれています。
ポイントは、
所属するクラスで合格率がわかる
ということです。
塾は長年のデータから、志望校別講座のクラスごとの合格確率のデータを持っています。
具体的には、
という感じです。
そもそもクラス分け自体は、過去のテスト結果を反映してクラス分けされるので、「過去の実力テストを反映しているだけじゃないか!」と指摘をうけるかもしれません。
全体でのクラス分けは様々な中学校を目指している中でのクラス分けですが、志望校別講座におけるクラス分けは「その中学を目指している子どもたち」の中でのクラス分けとなります。
しかも、浜学園では、「志望校別講座」のクラス分けは、「志望校別講座のテストでの得点」でクラス分けを1か月ごとに行われます。
つまり、所属する塾における志望校別の順位が明確にわかります。
志望校別講座では、一般的な授業と違って、受験する中学に特化した授業で構成されるので、全体での順位よりも志望校別の講座での順位が重要になってきます。
特に規模の大きい塾であればあるほど、総数や歴史があるので志望校別講座での順位が合格率にどのように反映されるか信頼度が上がります。
志望校別講座における順位が、志望校への合格確率を反映する
長男を例に挙げてみます。
長男が所属する志望校別講座は上から1組、2組、3組、4組と4つのクラスがあります。
各クラスは30~40人くらい所属しています。
そこで講師に問い合わせてみました。
長男が所属する志望校別講座では、1組に所属するとどれくらいの合格率でしょうか?
最終的に1組に所属出来たら95%以上はあると思います。もちろん、まれに番狂わせはありますが。
ちなみに2組はどれくらいですか?
2組ですと60~70%とくらいになります。
3~4組だとどれくらいですか?
3組だと逆転のチャンスはありますが、4組だと厳しいですね。
というような感じでお答えいただきました。
講師の先生も、「子どもの合格確率」という聞き方よりも、「クラスごとの合格確率」のほうが直接的ではないので答えやすそうでした。
これは、算数担当のA先生だけではなく、ほかのB先生(理科)、C先生(国語)もまったく同じ確率で回答いただきました。
もちろん、これだけを質問したわけではないです。
合格するために各教科ごとにどんな勉強をしていったらよいのか?
という質問を最初にしたうえで、「クラスごとの合格確率」を伺いました。
様々な志望校を目指しているレギュラー授業のクラスより、志望校別講座でのクラスごとの合格率はより信ぴょう性が上がりますね。
ただ、注意点は、どのような塾でもこれが通用するわけではありません。
規模が大きな塾で長年の合格実績がある塾ではないと信ぴょう性は低くなる
という注意点があります。
長男が所属する浜学園は、伝統的に数多くの合格者を輩出していますので、データに信ぴょう性があります。
最初の塾選びにも大事なポイントですので、「伝統的に数多くの合格者を輩出している」かどうかもよく検討しましょう。
まとめ
今回は、本番の受験もいよいよ差し迫ってきた10月に「どのようにして合格確率を推定できるか」について説明しました。
ストレートに「わが子の合格確率」を塾側に問うても明確な回答は得られない可能性もあります。
「まだ頑張ったらいける」
とか
「まだあきらめてはいけない」
など抽象的な励ましでは、「大丈夫なのだろうか?」という不安がぬぐえません。
親自身は冷静に「実際どれくらいの確率で合格できるのか?」というのをある程度は判断、推定しておく必要があります。
お子さんだけでなく、親も「熱望校」にまっしぐらになっていると、途中変更に心が対応できなくなります。
頭ごなしに、
もう無理だからあきらめなさい
と言ってもお子さんがあきらめない可能性もあり得ます。
お子さんを納得させるためにも、客観的なデータ、具体的なデータを数字で見せながら説明していくことが必要ですね。
抽象的に無理だというと、なかなか納得できず、ずるずる時が過ぎ去っていくという事態になりかねません。
「合格確率」を知る方法はほかにもあるかもしれませんが、いずれにせよ、親は冷静に分析しておくことが必要です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
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