今回は、過酷な日程であった小学校6年生の夏期講習を振り返ります。
これから本格的に中学受験を志す親御さんには参考になる内容だと思います。
7月21日で1学期が終了し、夏休みが始まりました。
今回は、中学受験生の小学校6年の夏の様子を説明します。中学受験しないご家庭も面白い内容になっていると思います。
世間的には、小学6年生にとって最後の夏休みですから、思う存分遊んで過ごしたいと思っていると思います。
スポーツを習っているお子さんは、熱中症にならない程度にスポーツに専念されることと思います。
中学受験を目指す子供にとっては、「地獄の夏」が始まります。
スポーツも勉強も極めようとすればするほど、過酷になってきます。
私の子供のころは、中学受験は目指していなく(考えてすらなかった)夏休みは習っていたリトルリーグ以外やることはなかったと思い出しています。
リトルリーグといっても私の所属していたチームは弱小で土日だけ近所のおじさんたちが教えてくれるような感じでしたので、スポーツで頑張る!っていう意気込みは全然ありませんでした。
結局、夏休みは遊ぶぞ!とは思っても、だらだら無駄に時間が過ぎ去っていたような気がします。
私の子供のころと同じように、夏休みはだらだらと時間が過ぎていくだけというお子さんも少なくはないと思います。
中学受験生はそれとは真逆な生活を送ることになります。
どんな感じかと言いますと、、、
夏休み期間中の42日間は基本的に10時間以上勉強
という感じになります。
やらせすぎな感じもします。ただ、中途半端にやって、夏の終わりに「あ~もっとやっておけばよかった」となるようであれば本末転倒です。ですから、やるなら全力でやる!ということが大事だと思います。
多くの親御さんもご自身が子供の時に感じたことがあるかもしれませんが、
「あ~結局、夏休みの間、なにも達成できなかったな」
って思ったことは小学校時代に限らず、中学、高校、大学時代に感じたことがあるでしょう。
なんとなく怠惰な時間を過ごすより、全力で何かに取り組む目標があるということは幸せなことかもしれません。
受験に限らず、毎日やることがある、目標があるというのは非常に大事です。
勉強やスポーツなど熱中できることをして小学時代を過ごしたお子さんと、目標なく夏を過ごしたお子さんでは差が広がるのは仕方ないとは言え、その距離を今後詰めていくのはかなり大変です。
鉄は熱いうちに打つことも大事です。
熱中できる目標や環境を提供できるかというのは、子育ての大きな目標の一つです。
ただ、さまざまな家庭環境や経済環境があり、お子さんそれぞれにあった環境が提供できないのは歯がゆいですね。
私個人的には、教育は平等に受けてほしいので今の教育環境がもっと改善されないのかと危惧しています。
前置きが長くなりましたが、今回は私の長男がどんな感じでこの「夏休み42日間」を過ごすかを説明したいと思います。
? 中学受験を考えているすべての親御さん
? 夏休みの過ごし方に不安がある親御さん
? 他の家庭の教育の仕方に興味がある親御さん
? 中学受験に興味がある親御さん
ちなみに、「夏期講習で失敗しない方法」については、過去記事を参照ください。
夏休みは毎日細かくスケジュールする
浜学園から夏休みのスケジュールの例が配布されました。
下記のように、びっしりスケジュールされています。
子供自身でスケジュールを書いて、講師にチェックされます
もちろん、親が一緒にスケジュールを決めることになりますが、最終的に子供がスケジュールを書くことになります。
子供自身がスケジュールを立てることで、将来的にも計画的に考えられる人間に育つ
計画は立てるものの、実行できずに終わってしまうことが大人でも少なくないはずです。
子供のうちから、自分で計画してスケジュールを作り実行するという経験はなかなかできません。
はじめは無理あるスケジュールをしたとしても、進めるうちに実行可能なところに修正していくという作業も大人になってからも大事です。
計画を立て、実行していくという能力は社会に出ても重要なスキルの一つです。
中学受験は「親の課金ゲーム」と揶揄されることもあります。
しかし、子供の自主性を促しながら計画を立て実行する能力を養うことができるので、親の課金ゲームという表面的なものだけでは終わらず、もっと深いものを形成できる可能性があります。
スケジュールを自分で作成し実行する能力が身に付く
長男の夏休みの予定表
夏休み直前になるまで、作成するのをすっかり忘れていて21日に長男と作成しました。
偉そうなこと言ってる割に全然用意してないのかよ!って怒られそうです
ただ、大まかな予定は決まっていますので、すぐに作成は可能な状態です。
基本的に、以下のような流れになります。
受験は朝から始まりますので朝から頭を回転させる習慣は大事です
浜学園の自習室で計画を立てた教材の自習をします。講師が見ているので質問可能です。私語や出入りは禁止されています。自習することで自立が促されます。
算数、国語、理科(社会)の授業を受けます。苦手分野の克服を目指します。
通常授業が始まるまでの間に宿題をしたり自分で決めた課題をしたりします。
年間通して計画されている「通常授業」を受けます。
今日やったことの復習と明日やることの確認。
えぐいです。私の大学受験のころより勉強しているのではないかと思うぐらいです。
毎日、このスケジュールではありませんが、ベースはこのような感じになります。
土曜日は、夏期講習に代わり最高レベル特訓の算数と理科。
日曜日は、第1、3週は志望校別特訓。第2、4週は実力テスト。
土曜日と日曜日は、通年で開講されている最高レベル特訓と、毎月2回あるテストもこなすことになります。
それでは、それぞれの時間帯をどのようなことをするのか長男の場合を例にとってみてみましょう。
ちなみに、ある程度のスケジュールを作ってみました。めちゃくちゃ大変です。
エクセルでPC上でさせてほしいです。
6:30~7:30早朝自宅学習
「3冠達成本」の国語をやることにしています。
✓ 浜学園で夏期講習で配布される算数、国語、理科の教材を指す。
✓ 算数、国語、理科の3教科ごとに42日間毎日こなせるように42ページからなっている。
✓ 制限時間も設けられており、自主テスト形式。
✓ 入試レベルの難問が用意されている。
具体的には、下記の写真のようになっています。
毎日こなせば、かなりの量になりますので、相当な力はつくと思います。
私も早起きしてそばで見ていました。
長男は国語が苦手なので、夏期期間は苦手な国語を重点的にしていく予定なので、三冠達成本の国語を朝に持ってきました。
また、中学受験の本番では、朝一番に国語が多いのも理由です。
振り返ってみると、朝はなかなか計画通りにはいきませんでした。
まず毎朝起きてすぐに問題に取り掛かっても、国語で20分テスト、プラス見直しの段階で時間がなくなってしまいます。
結果として、8割ほどしかできませんでしたが、まずまず頑張っていたと思います。
9:30~12:00 早朝特訓
塾での自習時間になります。
有料で、1日当たり1000円になります。
質問に答えてくれる講師を配置してくれている自習室と考えると1000円で安いと思います。
なかなか自宅では誘惑も多いので集中できません。
私の家は、次男も三男もいて気が散ること間違いないので、この自習室システムは非常にありがたいです。
この時間帯でやることは、
✓ 三冠達成本の算数と理科
✓ 夏期講習の宿題(復習)
✓ 過去のテストの復習
を予定しました。
振り返ってみると、宿題が膨大すぎて「過去のテストの復習」はやる時間がほぼありませんでした。
通常授業に加えて、先ほどの三冠達成本、夏期講習の宿題、日曜日の志望校別特訓などなど宿題が膨大すぎて、それらをこなすだけでも時間が足りませんでした。
夏休み前は、壮大に「テストの復習」を考えていましたが、結果的にそれどころではなかったというのが感想です。
過去のテストの復習について
過去のテストはしっかりファイリングしておくのが大事
です。
過去記事でも同じようなことを言っていますが、テストは大事な問題の「詰め合わせパック」になっています。
浜学園で何十年も蓄積された問題の中から良問を終結させているのがテストになっています。
それを復習していくのが非常に効率がいいです。
ファイリングしていくと同時に間違った問題に〇などのチェックをしておくと復習する際に時間の無駄を省けます。
「どこ間違ったかな?」って探すのは時間がかかります。
親としては、ファイリングするのも大変ですが、このときに間違った問題をチェックしておきましょう。
ちなみに、私の家ではすべて妻がやってくれています。ありがたいです。
テストの復習チェックリストを作成する
テストを効率よく復習するためには、チェックリストをエクセルなどで作成しておくとよいでしょう。
どこを復習したのか一目瞭然でわかりやすいですし、子供にとっても、視覚的に進んでいる実感が持てるので目標にしやすいです。
私自身、大学受験の時に、間違った問題リストを作って定期的に復習をしていました。
人間は何度も間違ってしまう生き物です。
ただ、繰り返し繰り返し復習することで克服できるようになります。
なぜ間違ったのか、できれば、なぜ解けたのかを理解するとより一層力が付きますので、気づいたこともメモするようにするとよいでしょう。
ファイリングの方法などについては過去記事を参考にしてください。
12:30~15:30 夏期講習
各テーマに沿って講師が解説する講義を受講します。
まだまだ1日の中盤戦。
ここまでに力尽きていないような体力と精神力が要求されますね。
塾の中は冷房が効きすぎて座席によっては寒い可能性があるので、上着などは必須です。
前回までの復習テストから始まり、テキストの解説があります。
夏期講習?算数はAとBの2種類、理科もAとBの2種類、国語は1つの計5回/週で4週間
宿題もそれぞれで出されるので、それをこなすだけでもかなり大変です。
夏期講習は時間を見つけて、なんとか全部宿題をこなせました。
夏期講習の成績で上位者は賞状と記念品がもらえます。
頑張ったおかげで、クラス2位でメダルと賞状をいただけました。
16:00~19:00 塾での自習
この時間帯は無料で教室を利用できるようです。
この時間帯は、
通常授業の宿題と復習
最高レベル特訓の宿題
日曜志望校別特訓の宿題
をすることになります。
縛りとして、早朝特訓の自習時間は、通常授業の宿題をしてはいけないというルールになっているので、この時間帯に上記のように通常授業の宿題を予定することになります。
早朝特訓の自習時間は、ちょうど学校に行ってる時間帯になります。
通常授業の宿題を夏休みといえど学校に行ってる時間帯にやっていると、9月から2学期が始まったときにリズムが崩れて2学期の通常授業を乗り切れなくなるというのが理由です。
夏休み期間中であっても「学校に行ってない時間帯に通常授業の宿題をこなす」というのが2学期以降もスムーズに塾について行ける秘訣になります。
将来を見据えて、かなり訓練していくことになります。
そこまでする必要があるのか?って疑問には思いますが、これくらいやっていく子供たちが難関をクリアしていったという歴史があるので、それを動機づけとして頑張るしかないです。
振り返ってみると、通常授業の宿題と復習と最高レベル特訓の宿題、日曜志望校別特訓の宿題を「朝にしない」という縛りはなかなか守れませんでした。
とにかく宿題が多いので、縛りをつけてしまうと回りません。
努力目標は掲げるにしても、実際はかなり困難ですね。
19:00~21:00 通常授業
受験まで通年で計画された通常授業は夏期講習中も開催されます。
ここまできたら誰でもヘトヘトだと思います
本当に体力勝負ですね。
今まで公園で走り回って遊んできた体力の見せ所です。
これらも普通に宿題がでます。
本当に大変な量なんです。
あとで問題量をまとめてみますが、驚くべき数になっています。
22:00~23:00 帰宅後
寝る前に今日やったことのまとめと明日やることの確認をします。
それを記録する必要があります。
やりっぱなしですと、結局、習得したのかできていないのか不明です。
最後に確認してから寝ることが推奨されます。
ただし、睡眠不足から体調不良になってはいけません。
子供の体調を気にしながら、休む時は早めに休ませるなどの工夫は必ず必要です。
体調を崩して長期間勉強ができなくなるのは避けるべし。
完璧に計画通りこなせてなくても、その都度、軌道修正すればいいのです。
それも含めての「計画を立てる」練習になります。
計画にこだわりすぎて、体調不良、睡眠不足になることは避けましょう。
無理な計画は、やる気もそがれます。
計画は修正しながらすすめて、最終的に元の目標の80%を目指しましょう。
私の長男は、予定していた「テストの復習」はほぼ手付かずに終わってしまいました。
ただ、宿題はほぼこなせていたので、目標の「80%」は達成できたと思います。
夏休みにあれもこれもやろうと予定を立てがちですが、スケジュールが過密ですし、宿題も膨大なので夏休み前の予定通りにはなかなか行きません。
特に、「過去のテストの復習」はやっている時間がなかったです。
このことから言えるのは、
テストの復習は後回しにせずに、なるべく早く終わらせる
ことが重要なことがわかりました。
小学校6年生の夏以降は本当に時間がありません。
それまでにできるだけ復習は済ませておきましょう。
夏休み期間中にこなした宿題量
どれくらいの宿題量をこなしたのか、振り返ります。
夏休みにどれくらいの宿題があったのか振り返ってみます。
これには、授業でこなした問題とテストの問題は含まれません。
✅ 算数:通常授業(週2回2時間ずつ)、最高レベル特訓(週1回4時間)、夏期講習(週2回3時間ずつ)、志望校別特訓(隔週4時間)、三冠特訓(日々の宿題)
✅ 国語:通常授業(週1回2時間)、夏期講習(週1回3時間)、志望校別特訓(隔週2時間)、三冠特訓(日々の宿題)
✅ 理科:通常授業(週1回2時間)、最高レベル特訓(週1回2時間)、夏期講習(週2回3時間ずつ)、志望校別特訓(隔週2時間)、三冠特訓(日々の宿題)
改めて書き出すと尋常じゃ無いですね。
算数だけでみると、
・三冠特訓:小テスト4問を毎日
・通常授業:B問題15題とC問題10題を毎週
・夏期講習:週2回でそれぞれ毎週30題
・最高レベル特訓:週1回で毎週20題前後
・日曜志望校別特訓:2週に一回30題
をこなしたことになります。
合計すると、
宿題だけで約800問
をやったことになります。
長男は、宿題は9割以上こなしていました。
これが最終的に合格へと繋がればいいのですが。
灘を志望する子は、これに加えて「灘特訓」と「灘特別問題集」が加わります。
灘中を目指すお子さんは、これ以上に解く必要があり、スピード、体力、気力が要求されます。
まとめ
中学受験生にとって、夏は地獄です。
でも、ずっと地獄は続きません。
この地獄を乗り越えたら、志望校合格への道が開かれます。
親としての大事なポイントは、
✅ 子供と一緒に計画を立てる。進行状況に合わせて修正する。
→そうすることで子供が自分で計画を立てられる能力を養える
✅ 何を復習するのか、勉強するのか明確にしておく
→過去のテストのファイリングと間違いチェックを事前にしておく
✅ 42日間と長丁場なので、体調や精神面の配慮は必須
→長期間の離脱を避け、適宜、休息をとり計画を遂行可能なものに修正していく。
になります。
予定通りには、なかなか行かないものです。
予定通り行かなくても、その都度、修正していきましょう。
修正しながら、可能であれば、
弱点の補強
を重視しながら進めていきましょう。
また、夏休み中になんどかテストがあります。
夏休み中にすごく頑張っても、結果として表れないかもしれません。
秋以降に効果が現れると思ってお子さんを信じてみましょう。
夏休み頑張った効果が、良い結果として現れないと親として焦ってくると思います。
ただ、一番しんどいのは、子ども自身なので精神的に追い込まないように注意しましょう。
秋以降に効果が出ない場合は進路を修正しなくてはいけませんが、子供が頑張った分だけ親御さんはどっしり構えて信じてあげることも大事です。
最後までお読みいただきありがとうございました。
少しでも参考になれば幸いです。
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