今回も、小6の9月からやっておくべき9つのポイントを説明します。
前回は、ポイント⑦の「学習スケジュールの管理」ことの重要性をご説明しました。
9月や10月になってくると、
「あ〜あれもやってない。これもやってなかった。」
「また点数が悪かった。志望校に受からないかも。」
などなど、不安や焦りが出てきてしまいます。
しかし、以下に挙げるポイントを押さえて、4ヶ月乗り切ればいい結果を勝ち取るチャンスが出てくるでしょう。
結論、9つのポイントは以下のようになります。
- 短期計画と長期計画を必ず立てる
- 目標をもってテストに臨む
- 重要な宿題(復習)は必ず提出する
- 結果やミスは確認しても引きずらない
- 受験予定校の見学会・説明会・プレテストに参加する
- 過去問や願書・調査書の準備
- 学習スケジュールの管理
- 精神面の管理(対話)
- 冷静な判断
どれも単純なことですが、徹底することは難しいですね。
ただ、漠然と120日を過ごすより、やることを定めて有意義に過ごすことで雲泥の差がつきます。
必ずポイントを押さえながら進んでいきたいですね。
それでは、早速、それぞれのポイントについて説明していきますが、一つ一つが長くなるので、今回は8番の
「精神面の管理(対話)」
を説明いたします。
精神面の管理(対話)
精神面の管理は非常に難しいです。
一旦崩れると、子どもなのでなかなかリカバリーも難しくなります。
特に、成績がなかなか上がらないと、自暴自棄、諦めなどから破綻しかねません。
もう〇〇中学は無理だ…
とか
こんなに勉強しても上がらないなんてどこも受かる気がしない
となり、最終的に、
勉強したくない。
塾行きたくない。
受験なんてやめたい。
となってしまいます。
特に小学校6年生の秋にもなると、模試ごとに明確な合格判定結果が出て、ライバルとの差も明確になってきます。
夏休みに頑張ってきた効果が、いい結果として表れてこないと焦りますし、虚しさすら感じてしまいますね。
なかなか努力の結果が表れてこない
B判定すら取れない
ライバルはどんどんいい成績を出している
と、思うようになり自暴自棄になってしまいます。
そのような時に親としてどのように対応すべきか、また、調子がいい時も含めて「精神的なサポート」をすればよいのか解説していきます。
成績が思うように上がらない時
うまくいっていないときが親の腕の見せ所です。
うまくいっているときと比べたら、当然のことながら、精神的なサポートは難しいです。
なぜなら、親自身も不安定になっているからです。
精神的に不安定な親が、不安定なお子さんのサポートをしてもうまくいく可能性は低いです。
尽くしても尽くしても、お子さんの成績が上がらない。
それだけでなく、いくら優しく声掛けしても勉強もしようとしなければ、なおさらに苛立ちが募ります。
その声掛けが抽象的であれば、お子さんは動こうとはしないでしょう。
「はやく勉強しなさい。」
「また悪い点数とるよ!」
「このままだとどんどん落ちていくよ!とにかく勉強しなさい!」
というように、抽象的なアドバイスだけですと、そもそも小学生のお子さんは、何をどのようにしたら成績があがるか理解していませんから、上でも述べたように具体的にアドバイスしてあげないといけません。
抽象的なアドバイスだと実際どう動いていいのかわかりませんよね。
「ここができてなかったから、ここを復習してみよう。」
「いつもこの部分が間違っているから、今日も同じ問題解いてみよう。これができたら次の問題しよう。」
「次のテストでここがでるから、ここをやってみよう。」
などと具体的なサポートをすべきです。これはどんな時も同じです。
スポーツでもとにかく走れ、仕事でもとにかく営業してこい、とか具体的ではない指導は無意味どころか、反感も買いかねず、ますますうまくいきません。
何がうまくいっていないか親御さん自身が分析して、それをお子さんに伝えてあげることが大事です。
私の場合、長男のテスト結果はほとんど目を通しています。
じっくりは見ていませんが、間違ったところを把握して、いつもどんなところを間違っているか分析します。
例えば、国語のテストでいうと、後半部分の失点が多かったり、空白が多かったりします。
毎回その傾向が続けば、
「文章の読解スピードが遅い」
ということがわかります。
そして、テストをもう一度解きなおしたときに、問題なく解けたとします。
つまり、
「時間がなかった=文章を読む速さが足りない」
ということがわかります。
そうすると、どのようなアドバイスをしたらよいか明確です。
「いつも後半で失点しているね。落ち着いて考えたら簡単よな。ということは、どうしたらいいかわかる?」
とある程度質問で誘導して、子供自身がどうすべきか考えて答えさせます。
「なるべく早く読む練習しなきゃいけない。」
という答えはでてきますので、その後はその練習をしていくことになります。
うまくいかないとき:親自身がうまくいかない原因を分析し、解決法を一緒に考える
プロ野球の故野村克也監督は、「勝ちに不思議の勝ちあり。負けに不思議の負けなし。」と述べています。
うまくいかないときには必ず原因があるはずです。
それを冷静に分析できるのは、親しかいません。
一緒になって冷静さを失い、お子さんと衝突している暇はありません。
衝突していては無駄に精神的な負担が増大します。
なぜうまくいかないのか必死に考えてもわからなければ、第三者、つまりは塾の講師に質問しましょう。
ただ、親が分析してお子さんと一緒に解決法を考えるのがベストです。
お子さんは、一緒に考えて解決法を見出してくれればますます親を信頼するからです。
大事な過程なので、労力は惜しまず親御さんも頑張りましょう。
それでもうまくいかないとき
そこまでやってうまくいかないときは、もしかしたら背伸びしすぎの可能性もあります。
立ち位置、理想と現実の理解、それらをもう一度見つめなおし、塾側と相談し目標レベルの調整もしていきましょう。
「あそこのお子さんは、トップの○○中学を目指しているらしい」
「○○さんちの●●ちゃんは、また算数も国語もいい点だったみたい」
とお子さんよりも親の競争心を煽られるようなことがたくさんあると思います。
しかし、親の見栄のために、お子さんを無理なレベルの目標に巻き込むのは賢明ではありません。
中学受験がすべてではありません。
医学部の友人の中には、中学受験に失敗したけどその後リベンジを果たし、国立医学部に入学したものも少なくはありません。
そういう私自身も中学受験せず公立高校に進学も実力テストで400人中370番だったときもあります。
人間っていつがピークかわからないのです。
もちろん、上を目指す精神は常に心がけていたいですが、精神的に追い込んで、受験本番前に精神を病んだら元も子もありません。
適度なストレス状態を保ちながら、時に息抜きし、的確なアドバイスをしながらサポートがよいでしょう。
どのレベルを目指したらいいのか訳が分からなくなったら、塾の講師にアドバイスを求めるのがよいでしょう。客観的な意見をもらえるはずです。
子供がうまくいっていないときに親自身が不安定にならない秘訣
親自身が不安定にならない秘訣なんてあるんでしょうか。
正直なところ、どんな親でもお子さんがうまくいっていないときは不安になります。
私自身もそうです。
不安定にならないようにどのようにすればよいでしょうか?
いいことばかりを想定しないということが大事です。
悪いときにどういうふるまいをすべきか事前にイメトレしておくことが大事です。
医師は、特に手術などの場合、悪いことが起こった時にどのように対応すべきかあらかじめ頭に入れておいて手術に臨みます。
うまくいったときだけを想定していると、想定外のことが起こった場合、どうしても慌ててしまいます。
特に大事な手術の前には、さまざまなことを頭の中でシミュレーションします。時に、手術スタッフ全員で術前カンファレンスで想定されるよくないことを確認し、それが起こった場合どうすべきかを検討します。
重症患者さんの手術の前には、手術室でシミュレーションをしたことさえあります。
そして、プランAでうまくいかなかったらプランBで、さらにはCという風に何個かプランも用意します。
受験も一緒ですね。
お子さんがうまくいかないとき、テストで点数が悪かったときを想定しておいて、なるべく冷静にお子さんをサポートするように準備をするのです。
✅ 簡単な計算ミスによる失点
✅ 問題の読み間違いによる失点
✅ 何度もやったことがある問題の失点
✅ 得意分野の失点
✅ 体調が悪く失点
などなどいろいろ複合的に組み合わさってすごく悪い点数になることもあり得ます。
悪いと想定していたほうが、精神的にも楽かもしれません。
そして、まだ練習段階でよかったのです。
次に向けて、適切な具体的なアドバイスをしていくしか親御さんには方法がありません。
いろんなことを想定し適切なアドバイスやサポートができるように日ごろから準備はしておきましょう。
うまくいかない時には子供と同じように不安にならずに、あらかじめいろいろ想定して、適切、かつ具体的なアドバイスを心がけましょう。
うまくいっているとき
うまくいっているときの精神的サポートは難しくはないですね。
テストの点数が自己ベストだったとき
志望校の判定がA判定であったとき
クラスが上がったとき
単純に、一緒に喜び、ほめてあげましょう。
高学年になると照れがちですが、ほめたり、喜んでいる親の様子をみて悪い気はしません。
また、頑張ろうという気持ちになってくれます。
注意点は、「勝って兜の緒を締めよ」という言葉通りに、クールにふるまうのはよくないです。
うまくいっているのに、緩みがちな緊張を引き締めるため厳しくふるまうと、子供は「ここまで頑張ってもほめてくれないの?」と混乱し目標を失ってしまうことになりかねません。
うまくいっているときは、単純に一緒に喜び、ほめてあげるのが一番です。
小学生は高学年と言ってもほめてもらって恥ずかしいと思いながらも、またほめてもらいたいから頑張ろうとおもっています。
もちろん、気が緩みすぎて成績が落ちてしまうと元も子もないので、そのような兆候が見られたときにサポートする発言をしたらいいと思います。
「この前はすごく良かったけど、ちょっと気が緩んじゃうと悪くなっちゃうよ。今日はここからここまでやっておこう。」
と具体的なアドバイス、サポートがよいでしょう。
「とにかく頑張れ」
「とにかく勉強しろ」
「とにかくいい点数をとれ」
という抽象的なサポートやアドバイスは効果的ではありません。
小学生でなくても、抽象的な励ましは反感すら抱かれる可能性があります。
具体的に、
「ここからここまで宿題しよう。ここができたら完璧に近づくよ。」
「この分野が苦手だから今日はここを復習しよう。そうすればまた点数が上がるよ。」
「今日はここの中学の過去問をやってみよう。これができたら合格近づくね。」
などと、サポートやアドバイスするのがよいでしょう。
小学生ですから、スケジュール管理はもちろんできないですし、放っておくと好きなことばかりするので苦手分野が放置となりかねません。
しっかり具体的な内容でサポートしてあげると効果的です。
また、小学生は、特に男の子は、「完璧」とか「すごい」とか「超」とかが好きです。
ですから、「完璧に近づく」とか「すごいパワーアップする」とか声掛けするのもよいでしょう。
✅ うまくいっているときは単純に喜んで、褒めてあげましょう。
✅ 気が緩みそうになったら、具体的なアドバイスを。
まとめ
✅ うまくいかないときは、親自身がうまくいかない原因を分析し、解決法を一緒に考える。
✅ うまくいかない時には子供と同じように不安にならずに、あらかじめいろいろ想定して、適切、かつ具体的なアドバイスを心がけましょう。
✅ うまくいっているときは単純に喜んで、褒めてあげる。気が緩みそうになったら、具体的なアドバイスを。
時に親御さん自身も我慢できずに張り詰めてた糸がきれて嫌になるときもくるでしょう。
時にお子さんと衝突する時もくるでしょう。
ただ、お子さんは自分のために一生懸命になってくれていたといつかはわかってくれます。
受験までの道のりは長いようであっという間です。
気づいたらあと○ヶ月と言う感じで過ぎ去っていきます。
そして、お子さんと一緒に何かをやり遂げる機会はどんどん少なくなっていきます。
もしかしたら、一緒に何かを成し遂げる最後の機会かもしれません。
そう思うと、一瞬一瞬が大事に思えてきます。
あくまでも、精神科医で2023年中学受験組の父親の一意見ですが、何かの参考になれば幸いです。
次回は、ポイントのラスト9番目をご説明いたします。
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