中学受験を経験した子供の多くは、塾と親にお尻を叩かれながら勉強させられてきた その子供が中学入学後、尻を叩かれずに勉強を継続するだろうか?
できる子も居るだろうが多くはコツコツと勉強する習慣が消滅し下図のようになるだろう。
鉄緑会というと東大、特に東大理科Ⅲ類を目指す塾で、一般からはかなり敷居が高いイメージがある。
しかし、30代40代の親世代からみた大学受験は子の世代と様変わりしていることを認識する必要がある。
親世代の頃は情報の取得が今より簡便ではなく、有益な情報へのアクセスが難しかった。
しかし、今は誰でもスマホから有益な情報にアクセスでき情報がある意味均一化されているので、どのような勉強法が良いのか判断しやすい。
今は将来を見越して何学部が良いのかを考えると、医学部や情報系が挙げられている(その是非は置いとくとして)。
僕ら親世代の頃は、医者家庭でなければ医学部がここまで良いなんて誰も教えてくれなかった。
なんとなく良いとは感じていても、まぁ非医の東大か京大でも良いかという感じの人も多かったと思う。
今は違う。
情報に容易にアクセスできるので、何学部がコスパが良いのか誰でもよくわかる。
受験におけるコスパという言葉は好きではないが。
そのような状況の中で、子供たちは戦っていくことになる。
親世代の時とは違って、親自身も情報に明るくなっているので、上位層の戦いはより苛烈になっている。
同じ能力であった場合、やはり公立中学より中高一貫校が有利なのは自明だし、さらに、ノウハウがしっかりしていて実績があるやり方(塾)で学ぶ方が効率が良い。
結果として、東大を目指すつもりはなくても、ペースメーカーとして実績が良い鉄緑会がベターという考えになる
なんといっても、立ち位置(順位)からどの大学学部に行けるのかイメージがつきやすい。
学校の順位でも良いと思うが、外部評価の方がよりリアルである。
特に現役における立ち位置がわかるのが良い。
【中1から行かせる必要があるのか?】
もしお子さんがお尻を叩かずともコツコツやるタイプ、あるいは、天才タイプで高2からでも捲れる能力があるのであれば中1から行かせる必要は全くない。
また学校がスパルタ管理タイプであれば、同様に必要ないだろう。
では管理タイプでない中学校の場合、中学受験でお尻を引っ叩かれながら、やっとこさ勉強していた子供が中学になって自分一人で勉強するだろうか?
答えは「否」である。
せっかく身についた勉強習慣も維持できずに消滅し、定期テスト前だけ勉強するパターンとなり学力は低下していく。
その結果、公立中学からコツコツ勉強組に捲られてしまうのである。
せっかく中高一貫校に入学したメリットが消滅してしまうのである。
むしろ、高校入試がある公立中学組に高校入学時点で負けてしまっている可能性すら、でてきてしまうのである。
現に鉄緑会の卒業生の合格者アンケートを見ると
「いつから勉強を始めるべきか?」
という質問に対して
「中1から勉強しておいた方が良い」
という意見が全体の30%と1位であった。
やはり、せっかく頑張って中学受験したのだから、その優位性を維持した方がいいに決まっている。
むしろ、その優位性がなければ中高一貫校に通うメリットが失われてしまう。
もちろん、鉄緑会に限らず、自分でコツコツできたり、学校が厳しく指導してくれたり、他の大学受験塾でも構わない。
問題は
『中学受験がゴールではなく、スタートライン』
という認識が必要である。
大学受験へのアドバンテージを得ただけであって、さぼればそのアドバンテージはすぐに消滅し、むしろ「やれば挽回できる」という謎な自信を産む害悪にすらなりうる。
気づいた時には、学力は地に落ち、挽回できるような距離にライバルはいないのである。
中には、高校から勉強を頑張って捲ってくる人も居るだろうが、多くはライバルとの距離に絶望し戦意を喪失するのだ。
だから、中学受験をするにあたって、子供には
「中学受験後も勉強が続く」
と説明すべきだし、なんなら
「大人になってもずっと勉強が必要」
と説明すべきだろう。
なにが言いたいかというと
「人生ずっと勉強である」
ということである。
ちなみに、中1の鉄緑会を見るとビビるほど大変ではない。
通っている長男の様子を見ていると、宿題に週2〜4時間ほどを要するだけである。
もちろんトップ層ではないが、ほどよくついていけている。
高校から入ると大変かもしれないが、中学から少しずつやっていくと慣れるのだろう。
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