今回は、2023年の西大和学園中の入試の結果分析をしてみます。
いつものように浜学園の資料を参考にさせてもらっています。
今回は奈良にある比較的新しい進学校である西大和学園中についてです。
私が中学生の時にもあったと思いますが、正直、今ほど賢い学校には当てはまらなかったと思います。
しかし、色々な工夫や努力により関西7冠中学の一つにまでなりました。
そう考えると、学校の努力って大事だなと思います。
実績も圧巻です。
なんと東大は73人とエグいです。
近畿に存在しながら京大より人数がはるかに多いというのは特徴的です。
内訳を見ると、東大理科三類は既卒1名、京大医学部医学科は現役3名既卒2名でした。
合格者数と比較して医学部の割合は若干低いかなと感じました。
一つの理由として「SSH(スーパーサイエンスハイスクール)」が挙げられるのかなと思います。
西大和学園は、文部科学省から「先進的な理数教育を実施する高等学校」として『SSH』の指定を受けています。
大学の研究室の実習に参加できるほか、好きなテーマを1年かけて掘り下げ、取り組んだ研究テーマがきっかけで将来進む道を決める生徒さんもいるとのことです。
SSHって厨二病の響きがしないでもないですが、進路について大きな影響がありそうですね。
関西で有数の名門校にのし上がった理由は他にもあるようです。
✅ 部活は週3日(放課後のみ)
✅ 活動期間は3年秋までを2年夏までに短縮
✅ 50分5時間授業を60分7時間授業に変更
✅ 0アワー授業を導入し1限前7:30からの授業開始
など合格実績をあげるために改革をしました。
大胆な改革が奏功し大成功となりましたね
灘や開成を合格者で上回ることを目指しているようで今後も合格者が増えそうですね。
それでは、2023年の西大和学園中の分析をしていきましょう。
総評
・12年前から灘・甲陽中入試の2日目の午後に入試を実施し、 近畿圏統一入試の初日に灘・甲陽・星光・洛星のような最難関中を志望する受験生が受験できる入試になっています。
色々な取り組みをされてきた上に、この入試日程の変更が実績を伸ばす一番の原因だと思っています。
明らかに灘、甲陽、星光、洛星などを落ちた生徒さんを拾い上げるのが目的だったと思いますが、これが完全に奏功したといってもいいでしょう。
もう成りふり構わず合格実績をあげるんだ!という意気込みを感じます。
甲陽中学や星光中学も同じように日程変更したら合格実績がかなり上がると思うのですが、プライドが許さないのでしょう。
・ただ、大学入試実績の飛躍的な伸びもあって、より受験層のレベルもかなり上がるだろうという予測から、2年連続男子受験生は減って今年は男子受験生866名となりました(男子受験生は昨年が959名、一昨年が1006名)。
・また、9年前から女子も受験できるようになっています。
共学にしたのも合格実績を大きく伸ばした一因でしょう。
関西は女子の名門校が非常に少ないため、共学にすることでニーズにマッチしています。
・そして、男子の合格最低点は昨年まで2年連続で高くなっていたが今年は昨年より33点下がって323点となり、問題の難度について昨年までの取り組みやすい入試と比べると少し難度が上がって3年前と同じような難度となリマした(500点満点中男子の合格最低点は昨年が356点、一昨年 が345点、3年前325点)。
・また、男子の実質倍率2.26倍が示すように(男子の 実質倍率は昨年が2.54倍、一昨年が2.41倍、3年前が1.88倍)、上がり続けていた合格ラインは少し落ち着いた結果となっています。
・科目別に見ると、昨年と比べて算数と国語の難度が少し上がっています(男子の算数の受験者平均得点率は今年が5割9分7厘、 昨年が6割8分3厘。男子の国語の受験者平均得点率は今年が5割8分5厘、昨年が6割3分4厘)。
・昨年難しくなった社会が取り組みやすい入試になりました(男子の社会の受験者平均得点率は今年が6割4分3厘、昨年が5割6分2厘)。
・また、今年の各教科の男子の受験者平均点と合格者平均点との差は算数が他教科と比べてはなれる結果になっいます(国語10.9点、算数13.9点、理科6.0点、社会4.8点)。
・ただ、西大和中入試は男子最難関中入試の中では合格最低点も約6割5分とそこそこの難度で、今年も昨年と同様に配点から考えても算数と国語を中心とする総合力が影響する入試であったことは変わりないです。
2023年の西大和の入試も、算数でかなり差が開きます。
難関中学になればなるほど、国語や理科よりも算数で差が開きやすいです。算数が苦手だと難関校の合格は遠のきます。
という理由から、浜学園では算数を重要視しています。
また、私の家での算数の取り組み方も参考にしてください。
そして、算数が劇的に伸びる7つのルールも参考ください。
親が子を算数に対して前向きかどうかでも大きく変わってきます。
ぜひ参考にしてみてください。
国語の分析結果
私がパッと見た感じですが、オーソドックスなスタイルなのかなという印象でした。
浜学園でいうと公開学力テストに近いような印象です。文章量もそこまで多くはないと思います。
✅長文2題(1️⃣説明的文章、2️⃣文学的文章)に加え、3️⃣では段落整序問題と漢字に関する知識の問題が出題されました。
✅設問数は1️⃣に小問8(解答数18)、2️⃣に小問7(解答数13)、3️⃣に7問です。
✅3️⃣の段落整序問題は複数年分解いて慣れておく必要があリマス。 整序問題は論理構成力を必要とする問題といえるでしょう。
✅1️⃣の説明的文章では、世の中が「わかりやすいこと」を礼賛するようになったということについて述べられています。2️⃣の物語では、保健所から引き取られて施設で保護されている犬を飼うかどうか迷う中で「生き方」について考える女性の姿が描かれています。
✅記述問題は、90字以内のものが2題出されています。40~100字程度の記述に臨機応変に対応できる記述力をつけておく必要があるでしょう。
難関中学としては、記述問題が多いとはいえず少なめですね。記述が苦手な子にとっては取り組みやすいかもしれません。
✅漢字は5問出題されていますが、標準的なレベルの問題です。それだけに失点は痛く、「楷書でていねいに書くこと」の指示を守って一点一画を疎かにせず丁寧に書く習慣をつけておく必要があります。日頃の漢字練習において基礎的な反復練習を積み重ねたいですね。
✅記号選択問題が中心ではあるが、説明的文章では接続語や副詞の補充、理由・同内容・ 要旨の選択などは、高い正答率が要求されます。
✅文学的文章では語句の意味を問うもの や空欄補充問題に加えて心情理解・言動の動機などを問う問題が出題されています。きっかけと言動から心情を推察したり、人物の考えを読み取ったりといった基本的な読解のパターンを日頃から練習しておくことが必要であると思います。
✅段落整序問題は、出題校がほとんどなく練習が難しいですが、考え方は頻出の欠落文補充に通ずると言えます。
✅形声文字について説明をした上で漢字を答えさせる問題が出されています。本文の説明や具体例をよく読み、答えるべき内容を速やかにとらえる必要があるでしょう。近年、3️⃣は知識分野から幅広く出題されています。
算数の分析結果
国語と同様にオーソドックスな感じは受けます。
受験後に長男が西大和の問題を鉄緑会入塾テストの練習がてらに解いていましたが、そこまで難しくないとのことでした。
問題構成は、
大問4題(小問22題) 制限時間60分
となります。
✅大問1~3の小問集合では、定型問題や典型題がバランスよく出題され、大問4で は処理を中心とする思考力を問う問題が出題されます。
☑️ 小問を手際よく正確に解けるだけの演習量
☑️ 解き方のわからない問題は後回しにして次々と問題を解き進める器用さ
☑️ 手間のかかりそうな問題への時間配分
といった時間の使い方の上手さも実力差となってはっきり点数に反映される問題セットになっています。
✅西大和の入試は年度と日程によって形式と難易度が変わるのが特徴です。
2018年度までの大問4つの内訳は大問1・2に小問集合、大問3・4に思考力を問う問題でしたが、2019年度から大問1~3に小問集合、大問4に思考力を問う 問題へ変更、試験時間が70分から60分に変更されたので、2019年度以降は取り組みやすくなっています。
✅2023年度は2022年度と同様に、小問集合において定型問題の熟練度と典型題の丁寧な理解が求められる内容でした。年度によるこれらの違いはすべて、西大和が常により良い選抜を探求する姿勢によるものであろうかと思います。
✅対策として、定型問題と典型題の学習が必須です。
どの単元においても定型問題や典型題が偏りなく解けるように、演習を繰り返し行うことが重要。
さらに、 最高レベル特訓で応用・発展レベルの典型題にふれて知見を広げておくとよいでしょう。
また、 答えのみ記入する形式なので、方針を立てて正しく解き進めても途中でミスをすると得点できないです。計算テキストを利用して毎日の計算練習を行うことが大切です。
まとめ
今回は、2023年西大和学園中学の入試問題の分析について書きました。
上位層は、
✅灘、甲陽、星光→西大和→東大寺、洛南
のコースを選ぶと思います。
うちの長男も受験を検討しましたが、通学時間が1時間30分を超えてしまうので受験を断念しました。
住んでる場所により受験校をどうするか悩ましいですね。
それでも受験しやすい日程のため今後も熾烈な戦いは続いていくでしょう。
この記事が少しでもお役に立てれば嬉しいです。
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関西を中心に、灘をはじめとする最難関中学から難関中学まで幅広く多数の合格者を輩出しています。
☑ 灘中合格者数は2023年は92名で、19年連続38回目の日本一を達成。
☑ 甲陽中学合格者は83名で、13年連続日本一達成。
☑ 星光中合格者数は、100名で6年連続日本一達成。
☑ 東大寺中は150名(6年連続日本一達成)、西大和中は261名(14年連続日本一達成)。
☑ 洛南中は137名(15年連続日本一達成)、洛星中は88名。
☑ 男子最難関中(灘、東大寺、洛南、西大和、甲陽、星光、洛星の7校)の合格者数は合計911名(のべ)。
上記のように、男子最難関中学だけではなく、神戸女学院、須磨学園などなど女子の難関中学も幅広くカバーしています。
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過去記事もぜひ参考にしてみてください。
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